中学2年生の社会でフォッサマグナがでてきます。毎年、フォッサマグマと間違って書く生徒がいて見てて楽しくなります。
静岡県には二つの巨大断層が走っているのをご存知でしょうか?
一つは、糸魚川ー静岡構造線。
図の青線に囲まれたオレンジ色の部分がフォッサマグナ(Fossa Magna)で、その左端が糸魚川-静岡構造線となります。
糸魚川ー静岡構造線をフォサマグナと勘違いする人もいるかと思いますが、フォッサマグナは「大きな溝」という意味で、「線」ではなく「面」を指して呼びます。
『資料/ウィキペディア』
もう一つが中央構造線で、図の赤い線です。
中央構造線は日本一長い断層で、九州から関東にかけて1,000 kmにも及ぶ巨大断層です。記憶に新しいところでは、2016年4月の熊本地震の震源地も、この中央構造線沿いにあります。
静岡県には、巨大な二つの断層に挟まれた場所に赤石山脈(南アルプス)があります。
赤石山脈は標高3,000メートル級の山々ですが、かつては深い海の底であったことをご存知でしたか?長い年月を経て深い海底が隆起し、標高3,000メートル級の山脈へとその姿を変えていきました。
その証拠に、
赤石岳の頂部には「赤い石」チャートがあることからも分かります。
チャートとは、深海底で堆積した海のプランクトン(放散虫)が長い年月をかけて岩石になったものなんですね。アンモナイトの化石が同時に採掘されるのもうなずけます。
構造線や断層は私たちの身近な所に存在します。
特に中央構造線は、
伊良湖岬から豊橋、豊川を通って浜松水窪、そして信州へと抜けているのがお分かりですね。
水窪町の青崩峠は構造線直下の断層崩落地で、しかも断層線谷(だんそうせんこく)を間近に見ることができます。秋葉街道(塩の道)はまさにこの断層線谷沿いを通る街道なんですね。
また、
中央構造線と並走する天竜川は石の宝庫です。
河原に出れば、緑色片岩、黒色片岩だけでなく、流紋岩、花こう岩など、多種多彩な岩石が採取できます。岩石は、日本列島形成のメカニズムを知るタイムカプセルのようなものなんですね。岩石の生成から、その場所の地殻変動を読み解くことがでます。
地球の地殻変動の痕跡に興味を持ち、その証拠を身近な場所から訪ね歩くのも面白いのではないでしょうか。