小学6年生の国語の教科書に、『鳥獣戯画』が掲載されています。
皆さんの中で鳥獣戯画という言葉を知らなくても、絵を見ると「ああ、これか!」と思い当たる方もいらっしゃるかと存じます。
鳥獣戯画は今から800年前、平安末期から鎌倉初期に描かれた作品で、甲乙丙丁の4巻からなります。それぞれの絵巻には、擬人化された鳥獣達が広いキャンパス内をところ狭しと動き回っています。
教科書では断片的な図柄しか掲載されていないため、本来持っている迫力や動き、物語が伝わってきません。
そこで、
教室に絵巻を用意して、誰もが自由に手に持って触れるようにしました。
写真は鳥獣戯画の甲巻です。
実物の1/3のスケールですが、それでも全長4メートルを超える長さです。
子どもたちは、
筆と墨で描かれた物語を目の当たりにすると、その緻密さに圧倒され「すごい!」と声が漏れてきます。
こちらは
兎と蛙が相撲をとり、蛙が兎を投げ飛ばす教科書に出典されている人気の場面です。
絵巻を右から左へと巻きながら見ていくと、連続性を持って描かれた絵に、あたかも時間が流れているかのような錯覚にとらわれます。
鳥獣戯画を所蔵する高山寺は、古都京都の文化財として世界遺産に登録されています。
教科書を読んで興味を持ったならば、ご自身で絵巻を訪ね歩くのもこれまた面白いかもしれませんね。