夏休みの読書感想文、お勧めの一冊『千年の田んぼ』

 

 

もうすぐ夏休みが始まりますね。
毎年この時期になると、子どもたちから読書感想文の相談が寄せられます。
そこで、今年の中学生の課題図書の中から『千年の田んぼ』を選んで読んでみることにしました。

この物語は日本海に浮かぶ小さな島、見島が舞台です。初めて聞く小さな島ですが、今から千三百年前から伝わる田んぼが当時の姿で残されているというのです。この千三百年前というと、ちょうど飛鳥から奈良時代にあたります。
誰が、何の目的で、こんな離島に田んぼを作ったのか、当時の時代背景をもとに作者と一緒に謎解きができる興味深いお話しでした。

作者は、
千年以上も前から変わらない貴重な田園風景が残る見島でありながら、過疎と後継者不足による耕作放棄という現実が迫ってる。
続けて
貴重な歴史的な環境を守り後世に残すことは、見島の問題だけでなく、これからの社会の大きな使命であり、世界に誇るべき財産である。
と著しています。

現代の私たちの暮らしは、価値観を変え絶えず変化しています。
しかしながら、
私たちの身の周りに目を落としてみると、そこには何世代にも渡って受け継がれてきた環境、そして文化や伝統がたくさん息づいています。
私たちは、
そんな先人たちが残してくれた財産を、次の世代へと橋渡しをしていく、その担い手としての責任も同時に持ちあわせてるのではないでしょうか。


人から人へ、次の世代に受け継がれ残されていく大切なもの。

 

『千年の田んぼ』に託された作者の願いは、

読書感想文を書くにあたって、子どもたちには分かりやすいテーマとなりそうですね。