夏休みの自由研究に『振り子の運動』はいかがですか。

先日、中学3年生の生徒から、振り子の運動について質問がありました。
質問の内容は、
質量が違う2つのおもりを同じ位置から放して振り子の運動をさせたとき、おもりの速さと運動エネルギーの大きさはどのようになるのかという質問でした。

実は、答えとなるヒントは小学5年生の理科で勉強しているのですね。
ここでもう一度、小学校の『振り子の運動』をおさらいをしてみますと、
振り子が1往復する時間は、振り子の長さによってのみ変わり、おもりの重さや振れ幅では変わらない。ということです。


塾では
この問題を検証するために、実際に振り子の模型を作ってみました。

 

作った者として、見慣れないものにいち早く反応する子どもたちの様子に嬉しくなります。
大小、2つのおもりを用意して同じ高さから振り子を落します。
大方の子どもたちは
重たいおもりの方が1往復する時間が速い。と予測しました。

実験をしてみると、結果は一目瞭然ですね。

 

 

写真は振り子の周期を調べる実験です。

10往復する時間の平均を求めると、周期が求められます。

振り子の糸の長さは

短いほうから、25cm、50cm、100cm、150cmで設定してあります。

100cmの振り子の周期は約2秒となりました。

そこで、冒頭の質問の答えとして・・・、
質量が違っても落ちる物体の速さは「同じ」であり、物体の質量が大きいほど物体が持つ運動エネルギーは「大きくなる」となります。

ところで
この『振り子の等時性』を発見したのは誰だかご存知ですか?
それはガリレオ・ガリレイです。彼は16~17世紀に活躍したイタリアの科学者で、天文学の分野で有名ですが、物理学でも大きな成果を収めました。
また、重力で引かれるものは、重いものも軽いものも同じ速さで落下する。この『落体の法則』も彼の考えとなります。

ガリレオは、日常の体験から科学のヒントを得、さらに実験によってこれらの法則を実証してきました。
大事なことは「自分の目で見て、確かめて学ぶ」ことなんですね。
これは、理科の自由研究のテーマにぴったりではないでしょうか。
実際に、
おもりの重さや振り子の高さ、振れ幅など条件を変えてみたり、実験結果を折れ線グラフに表してみるなど、たくさんのアイデアが浮かび、面白い自由研究ができ上がりそうです。
ぜひ皆さんも挑戦してみてはいかがでしょうか。