駅(えき)は音読み、それとも訓読み?

 

 

小学生の国語の学習に、

授業で全員が漢字辞典と国語辞典を使います。

大事なことは、

自分で漢字の読み書きを調べる。

漢字の筆順が正しく書けるようにする。

 

漢字に自信が持てると、

苦手な国語が上達します。

現在、教室には国語が好きな生徒がたくさんいます。

 

ところで、先日の授業での1コマです。

中学3年生の国語で、「熟語の読み方」の単元を学習していました。
その中で、一人の女子生徒が深刻な顔で、
「先生、漢字の『音読み』と『訓読み』の区別がつかない!」と申し出がありました。
彼女が悩んでいた漢字は、「駅」と「席」です。
彼女曰く、

「駅(えき)や席(せき)は、音を聞けば意味が分かる言葉だから、『訓読みではないのですか?」

彼女の考え方としては正しいのですが、実際は両方とも『音読み』が正解です。

私たちは、

「音読み」と「読み」の区別の仕方として、
「音読み」は、もともと中国語の発音に基づく読み方で、漢字1文字では意味がわからないものが多い。
一方、「訓読み」は、中国から伝来した漢字に、もともと日本で使われていた言葉をあてはめたもので、漢字1文字でも意味がわかるもの。
と習いました。

そのため、彼女が混乱するのもうなずけます。
そこで、実際にそれぞれの漢字の「訓読み」を調べてみることにしました。

駅・・・【音読み】エキ、【訓読み】うまや
駅(うまや)の語源は、奈良時代に遡ります。この時代、律令国家の新たな都として奈良に平城京(710年)が作られました。その時、都と地方の国々を結ぶ道路が整備され、途中に設けられたのがこの駅(うまや)でした。

しかしながら、近代化が進んだ現代の駅は(うまや)ではありません。鉄道の駅が一般的ですね。
そのため、現在は訓読みが廃れ、音読みがだけが使われるようになっていったのです。

 
 
同様に
席・・・【音読み】セキ、【訓読み】むしろ
席(むしろ)とは、竹や草などを編んで作った敷物のことです。

永い歴史の中で脈々と引き継がれてきた言葉と先人の知恵を、訓読みをヒントに読み取っていくのもまた楽しいことではないでしょうか。

言葉は、時代の変遷とともに移りゆくものなのですね。